令和3年度以前知事記者会見

2019年7月26日(金)


知事発表:一般財団法人マリンオープンイノベーション機構の設立、「AOI−PARC」ロゴマークの公表、幹事社質問:参院選、リニア中央新幹線
幹事社質問:リニア中央新幹線
幹事社質問:リニア中央新幹線
幹事社質問:リニア中央新幹線
幹事社質問:リニア中央新幹線
幹事社質問:リニア中央新幹線
幹事社質問:リニア中央新幹線
幹事社質問(記者質問):富士川水系早川等の濁り、三島駅南口の再開発、リニア中央新幹線

知事発表:一般財団法人マリンオープンイノベーション機構の設立、「AOI−PARC」ロゴマークの公表、幹事社質問:参院選、リニア中央新幹線

(知事)

 今日のお花はピンク色がクルクマ、白は、これですね、むくげ。赤と黄色、グロリオサ。赤はヒペリカム。枝は錦木。葉は松と、こちらにありますね。それから、南天ということでございます。

一般財団法人マリンオープンイノベーション機構の設立

 さて、発表項目は二つであります。二つとも、静岡県のフロンティアを示す実践的な研究機構についてですが、まず最初は、一般財団法人マリンオープンイノベーション機構の設立についてであります。

 静岡県は、駿河湾などの特徴ある環境やそこに生息する多様な海洋生物など、魅力ある海洋資源を活用して、マリンバイオテクノロジーを核とした多彩な産業の振興と創出を目指す、マリンオープンイノベーションプロジェクト、通称MaOIプロジェクトを推進しているところであります。

 このプロジェクトの推進機関となる一般財団法人マリンオープンイノベーション機構、通称MaOI機構が先週7月16日に登記手続きが完了いたしまして、7月1日の設立となりました。

 理事長には、東京農工大学の前学長の松永是さんにご就任いただきました。松永新理事長は、過去にはマリンバイオテクノロジー学会の会長を務められるなど、日本を代表するマリンバイオテクノロジー研究の第一人者であります。

 プロジェクトの中核拠点施設となる、マリンオープンイノベーションパーク、通称MaOIパークにつきましては、来年秋の完成を目指しまして、清水マリンビル内に整備し、MaOI機構もそこに入所する予定でございます。それまでは、県庁隣の静岡中央ビル内に仮事務所を設置いたします。8月2日には、この仮事務所におきまして、松永理事長、天野経済産業部長が出席し、看板の除幕式を執り行います。

 今後、MaOI機構が中心となり、オープンイノベーションの場となるネットワーク組織、MaOIフォーラムを立ち上げ、県内外の大学、研究機関のシーズと地域企業のニーズのマッチングを促進してまいります。

「AOI−PARC」ロゴマークの公表

 二つ目の発表項目でございますが、今度は「M」が取れまして、AOI-PARC、2年前、8月にAOI-PARCが開所いたしました。これは先端農業の推進拠点でございます。

 このたびその2周年を記念いたしまして、AOI-PARCのロゴマークを作成いたしました。皆さんの右側に、これですね。ロゴマークは昨年12月末から今年2月8日まで一般公募を行いました。応募は70点ございました。その中から、審査会と静岡文化芸術大学佐井先生のご意見も踏まえまして、高知市のデザイナー、浜口ハルオさんに、決定しました。

 これが浜口ハルオさんの作品ではございます。ロゴマークのデザインは、富士山が上手に中に入っておりまして、この富士山を囲む三つの円のつながりで、農、食、健の連携をイメージし、農食健、農商工、産学官金等々のいわば連携プラットフォームの中核となるオープンイノベーションの広がりを表現しております。緑は、これは農産物の緑、黄色は光といってみる印象ですけれども、そういうような色ですね。そして、もちろん青は水の色でございます。あるいは、駿河湾の色というふうに言ってもいいかと存じますが、現在AOI-PARCの四つの学術研究機関と11社の民間事業者が入居されております。

 農業の飛躍的な生産性向上や、農業を軸とした関連産業のビジネス展開に取り組んでおりまして、52件もの革新的な栽培技術や品種の開発など、研究開発が行われております。今年1月には、AOIプロジェクトの成果第1号、機能性表示食品ソフトケールGABAが商品化されました。

 今後、ロゴマークはAOIプロジェクトにおいて商品化したもの等の表示や、AOIプロジェクトのPRに活用してまいります。

 今後もプロジェクトに参加する学術研究機関および民間事業者の高度な技術力ならびにアイディアを活用し、農業、また、食生活、健康、農商工、産学官金、金は金融の金でございますが、の連携によるオープンイノベーションに取り組みまして、世界の人々の健康寿命の延伸と幸せの発展、増深に貢献してまいりたいと考えております。私の方から、発表は以上でございます。

(幹事社)

 まず発表項目について質問あればお願いします。

 なければ、幹事社質問に移らさせていただきます。幹事社からは3項目質問があります。1項目は、21日の参院選静岡選挙区の結果を見た、知事はどう思われたかお聞かせください。

 第2項目は、リニア建設に関して、JR東海からの回答案を読まれて、どうお考えになるかお聞かせください。そして、回答案を受けて、今後、JR東海との協議の展望はどうなりますでしょうか。

 第3点は、知事は、中日新聞のインタビューにリニアと南アルプス保全を両立する腹案があるとお答えになっていますが、腹案というのは実際にあるんでしょうか。そして、腹案がもしあるのであれば、具体的にその中身をお聞かせください。そして、その腹案の中に南アルプスの道路整備というのは含まれますでしょうか。以上3項目です。

(知事)

参院選

 まず第1の質問、参議院選挙に関してですけれども、本県からは、5人の方が立候補されまして、そのうちお二人の方が見事当選をなさいました。心からお祝いを申し上げたいと存じます。

 残念ながら落選された方には、立派な主張を言われておられましたが、めげずにこれからも国政、また、それぞれのお立場で検討していただきたいというふうに存じます。

 全体としましては、れいわ新選組ですね。こういう方たちが二人も参議院の議員になられたというのは画期的であるというふうに存じます。憲政史上でも珍しいことではないかというふうに思いますね。

 それから、長期政権になっている安倍政権の、安倍晋三氏のライフワークは憲法改正だと、当初から私はそう思っておりましたけれども、自民党は9議席を失ったということですね。立憲も護憲派と言っていいと思いますけれども、これが議席を増やした。

 それからまた、公明党さんも、比較的憲法改正には慎重ということで、これも2議席増やされたということがございますので、安部首相のライフワークに対しては、厳しい壁が突きつけられたなということであります。

 それから、本県に関して言えば、南アルプス、リニアの問題が、言ってみれば本県にとどまらず、いわゆるスーパーメガリージョンに当たる地域の人々の関心になっておりますので、これに関連して、ぜひそれぞれのご意見を戦わせていただきたいと思ったんですけれども、あまりこれは、話題にならなかったなということでございます。それはちょっと私にとっては心残りなことでございました。それから何よりも、投票率が国全体で5割を切ったというのは誠に民主主義の危機であると思っております。

 そして本県は何とか5割をキープいたしましたけれども、2人に1人が棄権をされているということは、しかも全体として投票率が下落したと、全国も、国もですね、県もですね、そのことは残念です。私は多数決っていうのは、100に対して51ということでございますので、ですから、2分の1以上の人が投票しなければ、選挙として無効であるという考えを基本的に持っております。

 しかし、これは最高裁の判例とは合わないということはもちろん承知をしておりますけれども、今回、国政では5割を切ったと。しかも、静岡県も投票率は落ちて、何とかフィフティ、50パーセントを辛うじて保ったということについては危機感を持ってるということであります。

リニア中央新幹線

 それから、リニアに関わることでございますが、まず、JR東海さんからのご回答は、これは案なんですね、まだ。それをまず強調した上で、ご覧になって読みやすいかというと、必ずしも読みやすいと言えないと。その意味では、県民の皆さまにとっては分かりにくいっていうか、分かりやすいものにはなっていないと。

 それから、これは専門部会の委員からのご指摘ですけれども、科学的根拠が相変わらず示されていないということでございます。専門部会の委員からは、回答案が示されたものの、その内容は、従来の主張の範囲にとどまっているというご意見を頂いております。

 9名の先生のうち7名からいただきまして、あと2名の方が間もなく到着すると存じますけれども、昨日差し当たって、JR東海に対しまして、この回答案では専門部会を開けないという旨を、くらし・環境部の方から口頭でご連絡を差し上げました。

 JR東海さんには、あらためて中間意見書の趣旨をご理解いただきまして、そのために説明をしようということで、JR東海はどのような意図で回答を作成したのか、それを確認をする機会を得たいと思っております。

 それから、回答案に対して、専門部会委員の先生方から追加の質問があります。これにつきましては、いわゆる専門部会を全体会議の形で、オープンにしてやるんではなくて、うちの専門委員の先生数名と向こうの担当者等が、オープンでこの議論をしていただくと。ですから、皆さま方も聞いていただけるような形で、意思の疎通を図り、またそれを共通の認識に皆さまにしていただくために、皆さまもそこの場に立ち会っていただけるような形で対応を進めていきたいというふうに思っております。

 それからこれに関連いたしまして、南アルプスの保全について、これは南アルプスは人類の共有財産なのでですね、あそこに闖入(ちんにゅう)してきたという感じですね。ですから、保全について、さらにまた、これは水資源といいますか、60万人以上の方々のあるいはGDP2.7兆円の基盤になる水でございます。その源流であるということもございまして、それに対してどういう考えをお持ちなのかをお聞かせ願っておりませんので、ぜひJR東海さんの方から、建設的な南アルプスの保全ならびに水資源の保全に関わるご提言をいただきたいというふうに思っております。話はそれからということです。

 以上であります。




幹事社質問:リニア中央新幹線

(幹事社)

 3項目の腹案についてはいかがでしょうか。

(知事)

 腹案というのは、工事をするのは私ではありませんのでね。ですから、工事する側は、南アルプスに対して、傷をつけるわけですから、しかもそこに依存してる方たちがいまして、中下流域まで影響を及ぼします。

 こうしたことに対して、どう考えてるのかということは、JR東海さんからしっかりと、利水者に、また南アルプスを愛する方々に分かるようにご説明される義務があると、まずそれをお聞きしてからということでございます。

 それから、一つ関心がありますのは、6月の13日にはそこの現場に入りまして、二軒小屋まで、全くその林道に対して安全策が講じられていないということに対しましては、そこで、作業員の方々の安全確保、どう考えているのかということがございまして、そこを9月から工事に入られるということでございますけれども、この市が管理する林道ですから、市の方も、JR東海さん「やる」と明確に宣言されまして、ですから特種東海製紙さん、そこずっと管理されてきたわけですけれども、市道としてしっかりとメンテナンスができるようにと言われておりますので、その意をくんで、今の現場で働いてる方たちの安全確保のための道路整備にまず取り組んでいただきたいという思いが強うございます。

 さらに、畑薙に入るために山道を通っていかねばなりませんが、その山道も、私ども、皆さまとご一緒に往復いたしましたけれども、帰り道は濃霧で非常に危ないということでしたね。ですから、そういう道の一部にトンネルを掘っても、すぐにその安全が確保されると思わないので、やはり閑蔵線について、もともとそういう方向でJR東海さんも考えられたっていうことなので、まず作業員が安全に現場に行けるようにするということを、先に行動に移していただきたいというふうに思っております。

(幹事社)

 その腹案と南アルプスの道路整備との関連についてはいかがでしょうか。

(知事)

 ありません、関連はありません。道路整備はこれ作業道ですから、作業させているのはJR東海さんですのでね。自らの会社の、言ってみれば、今直接間接の従業員なわけですから、その人たちの安全をここでやっていただきたいと。今仮に、あそこで、例えば林道の途中でしょっちゅう岩が落ちてくるわけです。あるいは石が落ちてくると。けがをされたと。どうするんですか。救急車行けません。ヘリコプター入れません。

 そういうようなところで、どうしてずっとこれまで作業させてきたのかというふうに思っておりまして、そのあたりのところ、不思議な感じがしております。

 これはもう作業道としてきっちりまず整備すべきだと。建物を、いわゆる宿舎を造ると。宿舎を造るっていうことは、そこに行き帰りする人がいるわけですから。その道も併せてと思ってたんですけども。それができてないということで、まずは作業員が投宿される宿舎とそれと一体の、そこ行き帰り、少なくとも畑薙から西俣までのですね。あるいは椹島まで、まずはそこを、優先的になさるっていうのが、普通の工事の方法ではないかと。

 常識的に考えて、まず、従業員の安全、作業員の安全を確保していただきたいと。われわれの、県下におきましては、危機管理を最優先にしておりますので、その点をぜひご理解いただきたいと思っております。

(幹事社)

 関連質問ある社があればお願いします。

(記者)

 すみません、幹事社質問のものに関わるんですけれども、先ほどもお話がありましたように、ちょっと私どもが、先立って7月の中旬に川根本町、鈴木敏夫川根本町長にインタビューした際に、難航するJRとの協議、その中で、鈴木町長、知事の胸中に、知事自身が提唱されたエメラルドネックレス構想、それを基にした3県、静岡、長野、山梨の道路網整備があるはずだと確信していると強くおっしゃいました。

 それで、最近の知事ご自身のご発言、例えば地域貢献の地域というのは、南アルプスの10市町を指すだとか、今もおっしゃいましたけど、林道の工事、あるいは市道閑蔵線の整備に言及されました。そういった発言から見ても、知事の先ほど道路整備を求めることはあり得ないとおっしゃいましたけども、ちょっと重ねての質問になってしまいますが、本当にあり得ないのかと、そこをちょっと問いたいと思います。

(知事)

 はい。まず作業されてる人たちには、安全を図るのが最優先だということですね。

 それは閑蔵線、あるいは三ツ峰落合線を通るにせよ、それをきっちりと山道に対して、作業員が危険に遭わないようにするということが大事で、その点は、もともとJR東海さんも考えられていたようですね。そういう脈絡の中で、途中まで2車線の閑蔵線ということだったわけですが、どういう理由か分かりませんけれども、ほぼ分かっておりますけれども、三ツ峰落合線に突然くら替えする形での発表があった。ところが三ツ峰落合線の方は、たった4キロのトンネル掘っても、残り20キロぐらいのところはもう山道でうねうねしてるし、道は波打っておりますから。非常に危険であるということでございますので。もう一度その点、初心に戻ってほしいと思っておりますね。作業道の関係です。

 林道はもう、これまで何もしてなかったってこと自体がけしからんと思ってる。そういうことでありまして、これ地域貢献とは関係なく、工事をする以上そのことは最低限やってるべきだということであります。

 エメラルドネックレス構想というのは、これは、平成26年に南アルプスはユネスコの日本でいうエコパークに認定されたわけですね。これも大変大きな山塊ですので、これ今、本県の一市一町、そして、山梨、長野合わせて合計10市町村が関わってるので、どういうふうにして人々の心を一つにしようかという中で、早川町さん、あるいは鈴木川根本町さんなどと話してるうちに、自然に出てきたものであります。

 ですから、これはまだ本格的に動いてるというものではありませんで。しかし、ぜひこういう形で、南アルプスを県境を越えて多くの方々に、あるいは市町村ですね。行政区域を越えて多くの方々に親しんでいただくように、ぜひ協力して、われわれの方で音頭をとっていこうという中で出てきたものであって、リニアとは全く関係ないんです。

(記者)

 全く関係ないということでよろしいですか。つまり、これまで地域貢献というふうにして補償を訴えてこられたと。そういった中で今後、協議が進行していく中で、最終的に南アルプスの道路網整備で落ち着くと、落ち着くというか、そこを求めるということは絶対にあり得ないということでよろしいですか。

(知事)

 それは何かおかしな言い方ですね。ともかく、仮に今でもちょっと工事をされてますね、山梨県側と長野県側とね。そうした中で、水に影響出てきたと、水に影響出てきたことに対して、その影響が例えばですよ、下流域に及んだと。例えば焼津あたり、それについて今度中間意見書で質問してるんですね。これはそういうことが起こったら、因果関係を確認するとだけしか述べてないですよ。

 そんなばかなことありますか。因果関係はどうしたら、今、現状では、枯れた方が説明しなくちゃいけないわけですね。それと同じで、本来そういう工事をしなければ、道路の整備もする必要もありませんよ。しかし、いったん事が起これば何かしなくちゃいけない。それも工事と絡んでるでしょ。ですから工事絡みでの話を、結果としてそれがその地域の人にとって、後に生活道路とか観光の道路として生かされるということがあったとしてもですね、今、彼らがするべきは、これから何年かにわたってそこで作業されるわけですから、その作業の安全をきっちりするというのはいろはだと。特に、今回も梅雨が長引いております。台風も近づいてきてると。こうした中で、V字型の谷あいにある大井川の上流、畑薙から二俣に行く道ですね、こうした所で、土砂が崩壊したり、それが人身事故につながるということがあってはいけないと。

 そうしたことがないようにするのは、今誰の責任でしょうか。そこで工事をしている方の責任だということで、それは何か地域貢献だというのは当たらない、筋が通らない話であります。エメラルドネックレスの話は、リニア新幹線の話と別個の脈絡で出てきてるものであります。

 ただ地域貢献という名前がどうして出てきたのかと言いますと、これはJR東海さんの方から、南アルプスの生態系の保全については、基金を積むと。ですから、そこで全幹法の意見がJR東海さんの方で出てきたので、法律に基づいて国策と言われたならば、そこに地域貢献っていうのがありますでしょうと。それとは何ですかというふうに問いかけたものです。

(記者)

 つまり、あくまでも水の問題、自然環境の問題を、今はそこに向き合うという話。

(知事)

 南アルプスの保全、水環境の保全、それですね。




幹事社質問:リニア中央新幹線

(記者)

 だからその先に、例えばその経済的な補償、つまり道路のこと作業用道路とおっしゃいましたけども、例えば井川地区と山梨県早川町を結ぶ道路であったりとか、逆に長野県側に伸びる道路であったりとか、そういったものは全くもう今後もあり得ないということなんですか。

(知事)

 これ誰かが造らなきゃいけませんな。それと今のリニアと関係ないでしょ。

 しかも別にJR東海さんがそれをするって言ってるわけじゃないし。エメラルドネックレス構想はそれぞれの、まず10市町の市民、町民村民が「よしやろう」ということになった、そうしたもので、県や市町や、あるいは場合によっては国が、環境省や何かが一緒になってやっているようなものでもございます。仮に、リニアのルートが別のところであっても、この話は出てきてますよ。そうでしょ、例えば昔言われた松本だとか、諏訪だとか、そういうことがあっても、何と言いますか、南アルプスをグリーンのエメラルドのネックレスとして一緒にやっていこうじゃないかと。

 そうすると、南アルプスは南アルプスで閉じられてるんじゃなくて、中央アルプス、北アルプスで日本アルプスですから。これ全部合わせたら、仮にスーパーメガリージョンという言葉との対比でいえばね。何かいい言葉ありますか。スーパーランドスケープリージョンと。スーパーメガリージョンの方は地下でしょう。闇の世界。スーパーランドスケープリージョンというのは、まさにこの光と緑と水とそういうものがですね、きらめく世界ですね。だから絶景リージョンと。スーパーランドスケープというのは、実はそういう話がですね。今回富山で全国知事会があったんですが、ちょっと話がそれますけれども、最初のいわば、おもてなしの意見交換会があったんですが、おもてなしで越中おわら節というのがあったんですよ。そこで何と、加賀では白山、越中立山、駿河の富士山、三国一と。三つ結んだら、これは言ってみればスーパーランドスケープと。三つとも霊山ですからね。霊峰ですから。皆それぞれ白山信仰、立山信仰、富士山信仰というのがありますから、そういうのと北アルプス、中央アルプスというものがあります。

 あるいは糸魚川静岡構造線といったようなものは、これ皆目に見えるものです。新倉断層のように。あるいは糸魚川のようにですね。こうしたものは、スーパーメガリージョンというものになるじゃないかと。それはもうエメラルドネックレス構想といったようなものと同じで、それらの地域が、この中部地域が、「山の洲」がまとまるために出てくる話であって、このエメラルドネックレス構想というのは、南アルプスがエコパークになったことを通して、じゃあ、どういうふうにして、異なる地域、そう簡単にできない地域が、心一つにできるかという、そこで出てきた問題です。

 それの一つの構想案ですね。そこにリニアとかJR東海さんは直接関わってないです。

(記者)

 一昨日の、JR東海の金子社長が会見の中で、宿舎の方に電線や水道管を引くために、河川の占用許可がほしいんだけど、出てないと。ちょっと事実関係として確認させていただきたいのですけれども、許可の申請が5月20日に出ていて、通常28日ぐらいが目安ということになっているんですけども、2カ月も審査中という状態が続いているということで、JR側からは、正当な理由もなく止めてるんじゃないかという声もありまして、こういった審査が長引いているという理由、もし知事、ご存知の範囲で教えてくださいということ。

 もう一つ、金子社長の会見の中でもちょっとヤードの話が出てまして、使用する土地は特種東海さんと借りる約束はしてるんだけど、県の了解がないと手続きを進めにくいっていうふうに言われたんだそうです。特種東海さんの社長さんと知事はよくお話されてると思うんですが、そのへん知事はどういうふうに考えてらっしゃるのか。

(知事)

 二つ目の質問、何について。

(記者)

 ヤードです、工事用のヤードの土地を特種東海さんから借りる約束をしてるんだけど、特種東海さんは、県の了解がないと手続きを進めにくい、まあ特種東海さんも利水者に入っているという理由で、県の了解がないと進めにくいというお話をされている。

(知事)

 どこのヤードですか。

(記者)

 あそこの、入口のところだとかって言ってましたけど。

(知事)

 椹島、そこも使って造ってますよね。千石、西俣、われわれが行った、皆さんが行ったとこは椹島と、それから千石ヤード。まあヤードを造ると、それからそこに宿舎を建設したいということですね。今出てきた河川法に関わるところは、千石ではないかと思います。その向こうに、さらに皆さんが危ないので行けないということで、私は分乗していったわけですけど、西俣ヤードというのがあります。これはもう、そこからもう本工事に入る入口のところですね。どのヤードかしら、全部かしら。

(記者)

 会見の中からはちょっと分からなかったんですけど。

(知事)

 まず、河川法に関しては、ちょうど今日太田局長がいらしてるので。

(太田河川砂防局長)

 河川砂防局長の太田と申します、よろしくお願いします。ただいまのJR東海さんの河川占用の件についてお答えいたします。

 本件につきまして、現在JRさんの方が申請に対して、今うちの審査中という状況なものですから、詳しいことについては申し上げられませんが、JR東海の記者会見の中で、電線や水道管の敷設の手続きとのお話があったようなので、それについて事実関係を申し上げますと、現在千石ヤードへ電気や水道を供給する目的で、電線や水道管を既設の橋梁へ添架する内容の河川占用申請が出ております。これについて現在審査しているところでございます。

 先ほど標準処理期間ということのお話がありましたが、報道等でもありましたとおり、5月の22日に申請があってきているということは事実でございますので、現在、標準処理期間とありますが、それはあくまでも標準としての期間を定めたもので、本件につきましては、ここに、そこで供給される、特に電線によって供給される電力量の用途が、宿舎に使われるものなのか、はたまた、どういった本体工事につながるような供給をするものなのかなどの観点などについて、慎重に、また河川法の審査基準に則って慎重に審査しているところでございます。現在そんな状況でございます。

(記者)

 普通28日間で、2カ月もかかったこれは異例のことなんですかね。よくあるんでしょうかね。

(太田河川砂防局長)

 標準処理期間っていうのは、申請を受理してから、その間に相手とのやりとりの間、補正する期間、うちがその申請内容にして、ここについてどうなんだって問いかけて補正させる期間、そういったものは、標準処理期間から除外されて、28日間っていうのが標準期間という形になってます。

 これは、県としてそれを順守し、順守というかそれを一つの目標として処分をするように心掛けておりますが、当然案件によってはそれを超えるような場合も出てくる場合もあります。以上でございます。

(記者)

 つまり、特に正当な理由なくというわけじゃなくて、特に今その水問題とかが、協議が滞っているからという理由で、とは関係ないということですよね。処理は正当にしているということですか。

(太田河川砂防局長)

 審査については河川法の基準がございますので、それにのっとって審査しています。

(記者)

 すみません、河川占有許可のことで補足でお伺いしたいんですけど、知事に、先ほどから作業員の安全確保が第一優先だとおっしゃっていましたけれども、現在作業員宿舎が使えないことによって、毎日作業員は40キロほど離れた井川地区から現場まで通っている状況になっているんですけれども、作業にも支障が出ているというようなことなんですが、手続きには期間が必要ということですけれども、これを早めることとかはできないんでしょうか。

(太田河川砂防局長)

 支障が出ているというのは、JRさんが見込んでいたことに対して若干遅いということだということでしょうかね。

 われわれの方としては、それをしっかり審査して許可する、あるいは不許可にする、処分ですが、しっかり法に基づいて、審査基準に従って処分をしていきますので、あらかじめ確実にどの時点までにそれが許可を前提とされたというものの審査ではないということになるのかと思います。

(記者)

 いつごろというめどっていうのは、今の段階で分かるものでしょうか。

(太田河川砂防局長)

 現在審査中の案件ですので、めども含めてそれについては、申し訳ございません、お話しすることはできませんが、われわれとしてもいたずらに延ばすつもりは全くございませんで、なるべく早いうちに処分を出すように心掛けているところでございます。

(記者)

 分かりました。ありがとうございます。




幹事社質問:リニア中央新幹線

(記者)

 すみません、先ほどの質問と同じなんですけれども、ちょっとお答えになかったようなので、こういった案件で、2カ月かかるというのは、割とよくある話なんでしょうか。28日を大幅に超えて2カ月かかった事例っていうのは、過去1年間と過去2年間とかでどれぐらいあるものなんでしょうか。

(太田河川砂防局長)

 そういった事例については詳細には把握はしてませんが、そもそもこういった事例がかなり特殊な事例だと思ってますので、それは個別案件としてそれぞれ案件ごとに処理してまいりますので、それを押しなべておおむね28日というのが標準化されているということだものですから、案件によってはばらつきが、当然、逆にもっと早く、3日でゴーが出るような場合もありますので、それは28日の標準的なと、努力目標といいますか、そんなイメージで捉えてます。

(記者)

 なるほど。ご記憶にある限りで一番長くかかった事例でどれぐらいありますか。

(太田河川砂防局長)

 すみません、ちょっと今この場では思い当たらないですが。

(記者)

 担当の方いらっしゃったりします。

(職員)

 詳細にどれくらいかかったというものは、正確には把握しておりません。ただ、局長が今、お答えしたように、長くかかるものもあれば、短くて済むとそういうものもあるという状況です。

(記者)

 つまりJRさん側が、2カ月っていうのは不当に引き延ばしてるんじゃないかみたいなことをおっしゃってるもので、別に不当、そんなの珍しい日数ではないということは、県としては言えるのでしょうか。

(太田河川砂防局長)

 不当に延ばしているということは全くございません。その審査に時間を要しているということだけなので、ただ客観的に見て長いか短いかというと、必ずしも短いとは言えない期間にはなってると思います。

(記者)

 では長い方ではある。

(太田河川砂防局長)

 長い部類にはなるのかもしれません。

(記者)

 分かりました、ありがとうございます。

(記者)

 リニアの関係なんですけれども、前回、前々回の会見で、「なぜ金銭問題が出てきたか、これはJR東海が基金を100万から300万積むと言ったからだと。100万とは南アルプスを何だと考えているか、他の県に何をしてるか分かっているのか」、という文脈で言ったというふうにおっしゃいました。ただし、JR東海はその日のうちに100万から300万という数字を示した事実はないというふうに反論しましたし、難波副知事も「100万から300万という数字は聞いたことがない、知事がJRから直接聞いたということもないだろう。多分私が別の話題で100万という数字を出したときの説明が悪く、知事にうまく伝わらなかったのではないか」というふうに言っています。

 知事はこの100万から300万という数字をいつどこで、どういう形でお聞きになったんでしょうか。

(知事)

 難波君から聞きました。だから、今彼が、全体の脈絡を僕は取り違えたのかもしれませんが、その数字はそこで聞いたんです。彼は本部長ですからね。

(記者)

 その後、具体的にどういう数字という、難波さんがどこでどういうふうに聞いた数字というふうに知事は捉えてらっしゃるんでしょうか。

(知事)

 自然保護に関わる基金を積みたいというお話で、どれぐらいですかっていう、そういう脈絡だったと思うんですよ。だから調査費に、調査に入るのに人件費だとかなのかなと思ったわけですけどね、私は。だから、そういう脈絡で基金を積むというふうに考えてらっしゃるのかというのが、そのときの印象というか、記憶です。

(記者)

 それはいつごろ難波さんからお聞きになった。そして難波さん、それをどなたがおっしゃったと言ったんでしょうか。

(知事)

 いや、そういう詮索しません。基金を積むとJR東海が言ってると、誠に結構なことだと、どのぐらいですかと。その脈絡でその金額が出てきたと記憶してます。

(記者)

 ということは、難波さんが間違ったというか、あまりうまく説明ができなかったのを聞いた知事が、そのまま勘違いして、今もそういうふうにおっしゃってるということなんでしょうか。

(知事)

 まあ調査費でしょう、入るのにね。交通費とか宿泊費とか手当とかそういうものかなと、私は思いましたけどね。例えば現場に入ると、特定の植物や小動物が、どうなってるかということを調べるのに、億単位とおかしいでしょう、逆に。ですから、合理的な数字というふうに受け止めたわけです。

(記者)

 知事は今でも、その100万から300万という数字が実際にJRからあったというふうにお考えになっているわけですね。

(知事)

 難波君から聞きました。それ以上でも以下でもありません。確かめてもいません。

(記者)

 確かめてらっしゃらないんですか。

(知事)

 いや、後から聞きました。それは、そういう脈絡で言ったつもりはなかったというふうに、難波副知事は、この件が話題になった後ですね。説明にこられました。

(記者)

 そうするとその話は、難波さんとのコミュニケーションの齟齬(そご)であったり、知事の勘違いであったりということで、事実ではなかったという認識でよろしいんですか。

(知事)

 ともかくそんな数字はね、天から降ってくるものでありませんからね。ですから何らかの脈絡で出てきた数字だと思いますよ。




幹事社質問:リニア中央新幹線

(記者)

 何らかの脈絡というもの。

(知事)

 ですから、自然保護のための基金を用意されているという脈絡の中で出てきたと。

(記者)

 そういう事実はあるという認識で。

(知事)

 自然保護のための基金を積みたいという要望、要望というかご提案がJR東海さんからあったと。それは誠に結構な話だと。そうすると、一歩突っ込んで「どのぐらいものですか」ってことになりますよね。ですからその中で、基金を積んでその利子であるとか、いろんな形があると存じますけれども、その1回の調査にかかるお金として、恐らく1回の調査にですね、1年間かけても、研究費として出てくるのはその程度のお金ですよね。通常、いわゆる、科学研究費っていうのがありますけども、そうしたものじゃないですか。学者に対してとされるようなお金というのは、そういうオーダーのお金ですよ。

(記者)

 二、三百万というのは、この基金に関するお金であることは間違いないというふうに認識してらっしゃった。

(知事)

 そうです。そういう脈絡で私は認識しておりました。

(記者)

 過去形ですか。今はどういうふうに認識してらっしゃるんですか。

(知事)

 基金、例えば10億で1パーセントと、どれぐらいになりますか。それを10人で割れば100万になるでしょ。10億円の1パーセントとなると1000万でしょ。1000万を10人で調査したら、1人100万ぐらいになるんじゃないですか。だからそういう脈絡だと分かりますよね。私は科研費のオーダーで、そういうようなものを考えてらっしゃるのかなというふうに思ったわけです、僕はね。

(記者)

 それは、そのときの話ですよね。今どういう認識でらっしゃるのかっていうのが伺いたくて。

(知事)

 難波君は訂正してきましたよ。

(記者)

 訂正してきて、その二、三百万という話は、基金に関する話で出た数字ではないということを、難波さんがこの前、囲みでおっしゃってたように認識してるんですけれども、知事もそういう認識でいらっしゃいますかという。

(知事)

 二、三百万というような形での、基金が二、三百万と言った覚えがないというふうに言っていました。

(記者)

 となると、先日の記者会見で、この地域振興に関する代償のお話っていうのは、その二、三百万という数字が出たから、知事の口から出たんですよということになったと思うんですけど、そうするとその二、三百万という事実がないということになると、代償のお話自体も、知事としては見解を改めることになるということでしょうか。

(知事)

 いやいや、ともかくこれはもうばかげた数字だというふうに思いましたね。ばかげたほどの数字であると。

(記者)

 二、三百万が。

(知事)

 そうです。

(記者)

 でもその数字ないですよ。

(知事)

 いずれにしても、そのときはそう思ったわけです。それで、全幹法の地域貢献に即して、他県を見てみれば、これぐらいの数字になってるということを、例えばテレビ朝日さんが計算して出したわけじゃないですか。ですから、あまりばかにしないでくださいっていうふうに申し上げたわけです。だけどそれは、今申しましたような、誤解というか、基金の利子で動かすっていう場合には、合理的かなと思ったりしますけどね。

(記者)

 そうしますと、誤解に基づいてされた発言で、ここは取り消してここは取り消さないみたいなのはありますか。

(知事)

 いつも正直に申し上げております。

(記者)

 つまりばかにした数字だとかっていう発言とかっていうのは、発言の元になるデータが存在しないわけですよね。

(知事)

 そもそも、基金の数字について、どれぐらい積もられるのか知りませんからね。それについて、私が得た数字というのは、100万円のオーダーだったということです。

(記者)

 つまり難波さん以外のルートで情報入れられた。

(知事)

 いいえ、難波君からしかこの情報は入っておりません。

(記者)

 それは誤解で出したと今おっしゃった。

(知事)

 難波君がどういう脈絡で出したのかは、今定かではありませんかね。




幹事社質問:リニア中央新幹線

(記者)

 知事として誤った報告が上がってきたという認識なんですか。それともご自身が取り違えたという認識なんですか。

(知事)

 うん、多分取り違えたんでしょうね。

(記者)

 そうすると代償の話だとかっていうの、かなり前提が結構違ってくるような気がするんですけれども。

(知事)

 そもそも、南アルプスの保全というのが大前提なんですよ。それに対してどうするかっていうときに、お金で解決するというときのそのお金の額が、あまりばかにした数字であるというふうに思ったわけですね。

(記者)

 でもお金で解決しますという話は、先方してないわけですよ。

(知事)

 していません。だから、南アルプスというのはプライスレスだと。価格を付けられる筋のものではないと、そういうことです。それ以上でも以下でもありません。

(記者)

 代償の話ってのはもう、知事の方がなかったことにされるという。

(知事)

 ただもし、工事の結果水が枯渇したとか、後はどうしますか。誰が責任取るんですか。

(記者)

 それは別の手続きとして、中間報告書で質問してらっしゃいますよね。

(知事)

 ええ、答えはありませんね。誰もが考えることです、それは。

(記者)

 今は先日知事が発言された代償うんぬんの話をしているのであって、その話は今してないんです。

(知事)

 代償、もちろんそういう脈絡で申し上げるわけです。もしも、何かのことがあったときにということでね。だけど自然保護のための基金というのは、代償の話ではありませんよね。代償の話として言えば、私が出した数字で言えば、ここで申し上げたかどうか分かりませんけども、あそこに60万人以上の方たちが住まれてるわけですね。そしてそこに水道だけじゃなくて産業も、サッポロビールも、磯自慢も、志太泉も、菊酔も、それから空港の水道も、料理の水も、トイレの水も、さらにお茶畑も、さまざまなものがあるわけです。そうしたものが所得生んでるわけです。GDPを生んでるわけですね。それらの額は1年でどのぐらいでしょうか。16兆円、17兆円がGDPでしょ、静岡県の。その6分の1どのぐらいですかね。比べてみますかね、いくらぐらいになります。16を6で割ったらいくらになります。割れませんけどね。

(記者)

 3弱ぐらいですかね。

(知事)

 だからね、3兆円弱なんですよ。それぐらいのGDPを作ってる地域なわけです。それも一つの額でしょう。それも一つの額ですよ、失われるとなれば。ですからもう、そういう天文学的な数字もあり得るわけです。ですからプライスレスだと、そもそも南アルプスに値段付けることなどはできません。富士山はいくらですかというのが、もうアブサードといいますか、ばかげた質問です。同じように、南アルプスは保全しなくちゃいけない。しかしそれによって、保全のためにはいくつものやり方がありますよ。南アルプスに対してどうされるんですかっていうことを私は、JR東海さんにお聞きしていると、われわれは今のままでやることはありますよね。

 しかし、そこに傷をつけようとされてるわけでしょ。それがもし、本当に傷がついて、人々の生活や命へ影響が出てきた場合は、どうするんですか。差し当たっては、今働いてらっしゃる作業員の安全はきっちり確保してください。それは、先ほどどなたか出てましたね。いちいち通わなくてはいけないと、通う道はどうなんですか。つまりは畑薙のあそこの井川のところから管理道路に入って、林道に入ってくるわけでしょう。その道全て危ないじゃないですか。そこをきちっとしないで「行くのが大変」だなんて、何てことをというふうに思いません。私は思います。ですから、6月13日の日に、宇野副社長に直に申し上げました。全然この道路だと安全確保できない、救急車も入ってこない、ヘリコプターも入ってこれない、どうするのかということですよね。

 作業員が行くのが大変だと、行く道が大変じゃないかと。それで、なるほど、実際パンクしましたからね。帰りの道も危なかったということで、静岡市と協定を結ばれて、ちゃんと道は整理するということがあったわけでしょう。これ当然のことだと思いますよ。これは差し当たって、南アルプスの保全だとか地域貢献だっていうものと、脈絡が全く違う話です。

(記者)

 そうしましたら、この以前の会見で出ていた、例えば駅一つ分がうんぬんの話だとか、ああいった話というのは、とりあえず1回考えないことにするということで。

 先ほど二、三百万の話からある話で出てきたんですよね。

(知事)

 幹事社、仕切ってください。

(記者)

 幹事社さんどうですか、ご質問打ち切った方が、記者会としてよろしいですか。あまり都合よくない。つまり、この誤解に基づいた発言だと認識してらっしゃる部分がどっからどこまでで、誤解に基づいてるんだったら撤回するしないで、だけど全部誤解に基づいてないっておっしゃるんだったらそれでいいんですよ。「はいそうです」とおっしゃっていただければ、今まで報じてきたことを上書きしてね、僕、知事の認識が違ってたから、ここのところは違うんだっていうふうにちゃんと正確に報じたいだけなので、別に意地悪したくて言ってるわけじゃないんですよ。

 あのご発言がいろんな方のいろんな意見を呼び起こして、市民団体から違うでしょって声が出たりとか、JR側からあそこが落としどころになるのかもしれないというリアクションが出たりですね。そういう発言が、いろいろな反響を生んだんですよ。

 知事の発言というのは、だけどそのご発言が誤解に基づいていて、誤った発言だったというのであれば訂正した方がいいんじゃないかなということを申し上げたいんです。そうでなくて、二、三百万という話がなかったとしても、意見というのは知事の個人のご意見なんですということを確認させていただければそれでいいんです。

(知事)

 そのとおりです。私の意見です。

(記者)

 分かりました。ありがとうございます。




幹事社質問:リニア中央新幹線

(記者)

 全国知事会議でも、それを利用して、その会議の外で関係沿線の知事さんとお話をされてました。愛知の知事はタイミングが悪くお話はされなかったということなんですけど、その愛知の知事が、その後にまた「科学的根拠に基づいてほしい」って話をされてたんですが、先般は難波さんが愛知県を訪れて説明に行ってると思うんですけども、このかけ違いっていうのはどこからどうきてるというふうにお考えなのかっていうのと、あと中間意見書で先ほどおっしゃってましたけども、その回答案も、私も読んだらなかなか言葉だけとか概念で終わってるというか、進歩がなかなか足りてないという部分もあるんですけども、ここの鍵というのはどうしていけばいいのかっていうのをちょっと教えていただけますでしょうかね。

(知事)

 科学的エビデンスというのは極めて重要で、安全と安心という二つの言葉がありますけれど、安全というのは客観的、安心というのは主観的ですよね。ですから安全であっても不安は残ります。

 しかし安全であるということは、これは客観的なものとして皆に共有できるということであります。ですから、それが科学的ということですね。そうした科学的な議論ができるように専門部会を設けてるわけです。そうした専門部会で出てきた中間意見というものを、JR東海さんにお出ししたと。それをかいつまんで難波副知事が向こうの副知事さんにご説明申し上げたと。向こうの副知事さんもそれは分かったということだったようですが、これはまさに科学的なやりとりについてのご説明を愛知県の方に差し上げたわけですね。これについては、例えば、長野県の阿部知事さん、分かってると。それからまた山梨県の長崎幸太郎知事さんも全く分かっていると。岐阜県の古田知事さんも同様ですね。鈴木三重県知事さんとは、立ち話でご迷惑かけて大変恐縮しているというふうに申し上げたら、分かっておりますというふうな短いやりとりだったわけですけどね。ですから、あるいは沿線になる奈良県の荒井知事さんですね。荒井知事さんとも相当いろいろ突っこんだ話はいたしまして。要するにこれ、JR東海とそれぞれの県が向き合ってるお立場が違いますのでね、静岡県の立場は理解するっていうのが、ほぼ共通した態度だったということです。愛知県の知事さんは全体期成同盟会の会長さんでもあるし、これは名古屋がこの起死回生をかけたプロジェクトでもありますからね、そういう声の代表ということで私は理解しておりますけれども、科学的エビデンスうんぬんを言われる、あまり繰り返し言われるとね、読んでないということが余計に露呈するので、ぜひ、そんな時間かかるものではありませんので、お読みいただければと。

 そして今記者さんがおっしゃったように、中間意見書に対する回答っていうのは決して分かり良いものでもないし、概念的なご説明というのがあって、学者先生からすると不満というのが当然出てくる内容のものだったと。だからこの回答の仕方について、向こうがまだちゃんと理解されてない可能性がありますから、ですから先生方にご説明をしたいと、そういう機会を設けてほしいっておっしゃってますよね。

 それはもう全くやっていただいて結構だと。それぞれ専門が違いますから、それをしかしですね、秘密裏にしないで皆さんの前でやっていただくと。いわば法廷で検事側と弁護側がやり合うような形で、誰もが皆それ見てる中で正々堂々とやってもらいたいと。まさに科学的なやりとりをやってもらいたいと。何か抱き込まれたり、変なものが動いたりするというようなことがあってはならないと思っておりますので、そういう意味で常にわれわれは科学的エビデンスといいますか、技術的な可能性なども忖度(そんたく)しながら議論を深めていただきたいと。これは始まったばかりですからね、そう簡単に決着がつくとは私は思っておりません。

(記者)

 あともう1点だけお願いします。荒井知事さん、三重県、愛知は2027とか、いわゆるスパンが非常に焦点になってると思うんですけども、その2027またそのさらに延伸の計画そのものの期間というのが短縮されてますけども、それについては今どういうふうに捉えていらっしゃいますでしょうか。それぞれの立場は理解しているというのは川勝知事もおっしゃってますけども、そこでいうと2027とかその先の計画っていうところも非常に重要なところになってくると思うんですが、それはどういうふうにご認識されてますか。

(知事)

 これは良いご質問で、2027年にこだわられたのは、たったお一人です。阿部知事さん。それは長野県の知事ですね。飯田ならびに大鹿村ですね、そこで相当大きな工事がされていると。それで大鹿村、大変迷惑されてるわけですね、1日何百台ものダンプが行き交いしているので。村の生活を脅かしてる感じになりますからね。それを知事さんとしては、2027年にはこれは解決するからということをずっと言って、言ってみれば受忍してもらってると、我慢してもらってるということで、自分は2027と言ってきたと。それはそういうことであれば、なかなかに、だから何とかそれを大鹿村までの所はね、全部できてそこの工事が滞りなくいくようにというふうに私も思いますよ。

 それから年数というのは自然相手ですから動きますよね、中部横断自動車も動きました、2年遅れてるわけですね。そういうものについて誰も文句言わないですよね。ただ、大阪までの延伸は2045年と言われてたわけですね。これ今2035年になってるでしょ、お金が入っているからですね。政府の財投が入ったからですね。そうしたのは、実は、大阪までの延伸が極めて重要であるっていう共通認識があるからです。そもそも、東京の方が大阪に行くのに名古屋まで行って乗り換えると、今のままだと。そうすると地下までは五、六十メートルのところからですから、上にあがって、ちょっと東京では南北線みたいなものですね。ぐーっと上にあがって、今度はまたホームで待ってそれから乗るというふうにしてまで大阪に行くかっていう。だから本来ならば、これは大阪まで結ばれて初めてリニアというのは意味があると。そうすると、本来ならば同時開通っていうのが望ましいと自分は考えていると、荒井知事さんはおっしゃってました。ただし今はそういう計画にはなってませんけども、それが望ましいと考えていると。それは実はリニアの生かし方としては最も合理的な考え方ですよね。もともと運輸省の重鎮ですから、荒井さんは。ですからそういう専門的な見地からも、名古屋までやって、かといってそれで何が便利になるんだろうというそういうお考えを知ることができました。じゃあ、今ルート決まってるんですかって聞いたら、名古屋の向こう三重から奈良も、奈良もどこに駅を造るか決まっておりませんという返事が返ってきました。ですから、そうしたところも早く決めなくちゃなりませんねと。そういうことであれば、工期というのはそういうお金が入ったりすると変更されたりするわけですね。2045年から10年も早まったわけですから。ですからさらに10年早めれば2025年になるんじゃないですか。ですからその10年ぐらいのスパンというのがあっという間に早まったりするわけです。そういうことで、少しくそういうことについて通暁してる人は、工事というのは自然相手の場合には何が起こるか分からないと、重金属が出てきたと、仮に重金属が天竜に流れ込んだとか、69メートルも積み上げる土砂が、大井川の場合ですね、それが集中豪雨で大井川に流れ出してきたというようなことになったら、工事どころじゃないですよ。ですから何が起こるか分かりません。そういうものは、工事の現場を知ってる人はみんな知ってます。そういう意味で、2027年というのはとっても大切な、それが大切な県もあります。それが動くということが分かっていながら、それを下ろすことのできないようなお立場の方もいらっしゃるということで、私自身は、静岡県は差し当たってその水の安全、流量、それから水質、生態系土捨て場の管理、監視体制、それから最終的にはもしものときにはどうするかというようなことも危機管理もですね、いくつか確かめておかなくちゃならないことがありますので、これを全部確かめてからでないと本工事などはできないと。千石ヤードであそこに電気を持ってきて、いきなり千石ヤードから仮に西俣まで4キロ掘ると、これ作業トンネルでしょ。そこで落盤事故が起こったらどうするんですか、救急車入れないですよ。千石ヤードまでですら、皆さん方ですら入らなかったですから。千石ヤードから向こうはね。そういう状況のところにヤードを造るっておっしゃってるわけですけども、当然本当にこれどういう目的で造るのかっていうことは、当然、今、太田局長と向こうの担当者との間でいくつか詰めなくてはいけないことはあるに違いないと思って、これ特殊的なそういう状況の中でやっていると。またそういう意味で、私は静岡県の状況とそれぞれの立場というのはお互い分かり合ったというのが、今回の成果だったかなと思っております。




幹事社質問(記者質問):富士川水系早川等の濁り、三島駅南口の再開発、リニア中央新幹線

富士川水系早川等の濁り

(記者)

 早川水系は富士川水系の濁りの調査を進めていらっしゃって、こういった問題も非常に重要な県政課題かと思うんですけども。先日、静岡新聞の報道でまた雨畑川でコンクリートの不法投棄が見つかったという報道がされまして、今日の新聞でも長崎知事がコメントしておられましたけども、この件に関して、不法投棄事件に関して、何か知事にお考えがありましたら教えていただければと。

(知事)

 長崎知事さんの対応は全く正当であると思っております。彼ともお話する機会が、隣ですからね座ってる場所が、長野県、私、山梨県とこう座ってます。お話する機会が何度もあったわけですけれども、食事のときも一緒だということで、そういう意味で雨畑の問題は本当に真剣に考えてらっしゃいますよ。私は畑薙ダムも雨畑化するというようなことが、実は心配されていますと言ったですね、共闘していきましょうというふうなお話もございました。ともかく水を汚さない、そして不法投棄を許さないと。そして水系は行政の境界とは関係ないというふうなご認識をお持ちで、こうしたところについては、もしもうちが協力できるところは協力します。向こうも、山梨県として静岡県に協力できることがあれば何でも言ってくださいというふうに言われていて、今本当にふじの国は、これまでになく危機意識を共有しながら一体化してるということであります。

三島駅南口の再開発

(記者)

 三島駅南口の再開発事業の件なんですけども、先立って今月22日に三島市議会経済建設委員会で、再開発事業などタワー棟の高さの修正案が出ました。それが従来の計画から9メートル下がるということなんですけども、この件に関しまして、知事はこれまでマンション、高層マンションはそぐわないとか、高さの修正を求めたい、そういったことをご発言されています。今回の修正案、人によってどう捉えるかなんですけど、あまり高さ変わってないのかなというふうなお考えもあるのか、これについて知事はどういうふうにお考えなのかということ。もう一つは、これ補助金が出る事業になってますけども、補助金を出すことの是非についてお聞かせ願えますか。

(知事)

 水の都三島ですからね、そこにああいう高層マンションは似合わないというのは、もうそもそも相当前から、ああいう案が出る前から、豊岡市長さんには、はっきりと申し上げてまいりました。

 今も同じ考えです。そして今、市民の相当な反対の声も聞こえてきております。ですから、十分に万機公論に決する形で、本当にどういうものをするのが三島の格を上げるかと、発展をもたらすかということは、まだ決着をついていないと思いますね。9メートル、大して変わらないっていうあなたの何となく印象を持たれたようですけど、私も同じです。9メートルになったら別ですけどね。100メートルが91メートルになったと言うんでしょ。もう誤差のうちですよ。そういう考えです。

リニア中央新幹線

(記者)

 これまでの回答、中間意見書の回答の内容について不満があるということもですけれども、その点、具体的にどういう点が不十分なのか、どういった内容になれば専門部会を開けるようになるのかその点を教えてください。

(知事)

 まず、これは専門部会の皆さま方がおまとめになった意見なんですね。専門部会の先生方の意見を尊重するということであります。私自身も例えば中下流域の補償はどうするかというご質問が先ほど記者さんの方から出て、それに対して答えてないというふうに言いましたけど、そのとおりです、答えてないですよね。あるいは流量について毎秒3トンと、調べてその根拠は何ですかということについても科学的な根拠出されていないということがありますよね。それから今、東と西から掘り進めるということですが、そこで当然水が失われて、それが山梨や長野に流れていくと、それでどうしますかと。

 なるべく工期を早めますとか言って、早められるかどうか、そんなのは自然が相手ですから分かりません。ですから、そういうパッと目につくものも含めて、専門家の先生が納得しないと。質問して、ちゃんと答えが返ってこないと駄目だということで、ただJR東海さんも真摯(しんし)にやってらっしゃるということなのでしょう。だからどういうふうにすればいいのかということで、膝を突き合わせてやってみたいと。じゃあ膝を突き合わせてお話されるのは結構だと、誠に。ただしオープンでやってくださいと。オープンというのは皆さま方にオープンと、それからわれわれも聞くということです。記録も取るということです。そういう形で、何しろ公共財を相手にしたことについて、識者あるいは当事者が話をするわけですから、全部オープンにやってもらうということでございます。

(記者)

 先ほど聞かせてもらったヤードの話というのは、知事は詳しくはご承知なさってないっていうことでよろしいですか。

(知事)

 千石ヤードですか。千石ヤードが特種東海製紙のあれですか、それはねあそこに何を造るのかなと。

 だってそこに建てるでしょ。椹島からずっと入っていって千石ヤードは何のためにあるんでしょうか、ただそこで人が寝泊りするということであればなるほど、新鮮な水や電気が要りますよね。当然のことです。だけどそれはそこでヤードを造って何のためだというのは、もう、いろいろやりとりやってると思いますけども、そこから西俣抜ける作業トンネルを掘るための場所でしょう。そうなんですよ、直線距離で4キロ、私も直接担当者が聞きましたから。

 そういうわけで、そのへんのところ確かめることが必要だと思います。ましてや、椹島まで、椹島からさらに千石まで行くのにだいぶ時間がかかるじゃないですか。1時間半ぐらいかかるでしょう、千石まで行くのですね、畑薙からですね。その1時間半の道の椹島までちゃんと宿舎あるじゃないですか。かなり大きな宿舎、皆さん見たでしょう。そこまでの道ですら、きちんと整えられていないと。そこでわれわれはパンクしたわけですから。そういうことというのも日常茶飯事で起こるということでありますので、そこをちゃんとしなくちゃいかんと思いますよね。やることは何か本末転倒してるんじゃないかっていう印象は私は思ってますが、そのことと差し当たってですね、河川法の問題とは別個で、河川法に関してはその基準がございますので、それについてやらなくちゃいけませんけども、それぞれ個別事情があって河川法はその個別事情にどのように対応させられるかということで、今よく話を詰めてやらないと取り返しがつかないなということで、太田局長の方で慎重に慎重を期してやってくださってるというふうに理解しております。

(記者)

 ついては、他にやることが先にあるだろうということですね。

(知事)

 そういうことですね、誠にそう思いますよ。

(記者)

 話をぶり返して恐縮なんですけれども、先ほどの基金の数字の話なんですけれども、最初の私の質問に対しては、知事は今でも難波副知事と言ったことを信じてるというような言い方をされたと思うんですが、その後、記者の質問で、初めて難波副知事が訂正してきた、多分私が取り違えたんだろうというふうにお話になりました。なぜ最初私の質問に対しては難波副知事の発言を信じているというようなことをおっしゃったんでしょうか、それとも知事は最初から取り違ってましたよっていうふうに言ってたと、私は理解できなかっただけですか。

(記者)

 向こうが取り違えてるって言われればそうなんでしょうが、私は基金の話をお聞きしまして、そしてお金の話を聞きまして、そこで出てきた数字という脈絡ですね。今でもそういうことで数字が、ここで紹介したということです。