(知事)
今日のお花はピンク色がクルクマ、白は、これですね、むくげ。赤と黄色、グロリオサ。赤はヒペリカム。枝は錦木。葉は松と、こちらにありますね。それから、南天ということでございます。
【一般財団法人マリンオープンイノベーション機構の設立】
さて、発表項目は二つであります。二つとも、静岡県のフロンティアを示す実践的な研究機構についてですが、まず最初は、一般財団法人マリンオープンイノベーション機構の設立についてであります。
静岡県は、駿河湾などの特徴ある環境やそこに生息する多様な海洋生物など、魅力ある海洋資源を活用して、マリンバイオテクノロジーを核とした多彩な産業の振興と創出を目指す、マリンオープンイノベーションプロジェクト、通称MaOIプロジェクトを推進しているところであります。
このプロジェクトの推進機関となる一般財団法人マリンオープンイノベーション機構、通称MaOI機構が先週7月16日に登記手続きが完了いたしまして、7月1日の設立となりました。
理事長には、東京農工大学の前学長の松永是さんにご就任いただきました。松永新理事長は、過去にはマリンバイオテクノロジー学会の会長を務められるなど、日本を代表するマリンバイオテクノロジー研究の第一人者であります。
プロジェクトの中核拠点施設となる、マリンオープンイノベーションパーク、通称MaOIパークにつきましては、来年秋の完成を目指しまして、清水マリンビル内に整備し、MaOI機構もそこに入所する予定でございます。それまでは、県庁隣の静岡中央ビル内に仮事務所を設置いたします。8月2日には、この仮事務所におきまして、松永理事長、天野経済産業部長が出席し、看板の除幕式を執り行います。
今後、MaOI機構が中心となり、オープンイノベーションの場となるネットワーク組織、MaOIフォーラムを立ち上げ、県内外の大学、研究機関のシーズと地域企業のニーズのマッチングを促進してまいります。
【「AOI−PARC」ロゴマークの公表】
二つ目の発表項目でございますが、今度は「M」が取れまして、AOI-PARC、2年前、8月にAOI-PARCが開所いたしました。これは先端農業の推進拠点でございます。
このたびその2周年を記念いたしまして、AOI-PARCのロゴマークを作成いたしました。皆さんの右側に、これですね。ロゴマークは昨年12月末から今年2月8日まで一般公募を行いました。応募は70点ございました。その中から、審査会と静岡文化芸術大学佐井先生のご意見も踏まえまして、高知市のデザイナー、浜口ハルオさんに、決定しました。
これが浜口ハルオさんの作品ではございます。ロゴマークのデザインは、富士山が上手に中に入っておりまして、この富士山を囲む三つの円のつながりで、農、食、健の連携をイメージし、農食健、農商工、産学官金等々のいわば連携プラットフォームの中核となるオープンイノベーションの広がりを表現しております。緑は、これは農産物の緑、黄色は光といってみる印象ですけれども、そういうような色ですね。そして、もちろん青は水の色でございます。あるいは、駿河湾の色というふうに言ってもいいかと存じますが、現在AOI-PARCの四つの学術研究機関と11社の民間事業者が入居されております。
農業の飛躍的な生産性向上や、農業を軸とした関連産業のビジネス展開に取り組んでおりまして、52件もの革新的な栽培技術や品種の開発など、研究開発が行われております。今年1月には、AOIプロジェクトの成果第1号、機能性表示食品ソフトケールGABAが商品化されました。
今後、ロゴマークはAOIプロジェクトにおいて商品化したもの等の表示や、AOIプロジェクトのPRに活用してまいります。
今後もプロジェクトに参加する学術研究機関および民間事業者の高度な技術力ならびにアイディアを活用し、農業、また、食生活、健康、農商工、産学官金、金は金融の金でございますが、の連携によるオープンイノベーションに取り組みまして、世界の人々の健康寿命の延伸と幸せの発展、増深に貢献してまいりたいと考えております。私の方から、発表は以上でございます。
(幹事社)
まず発表項目について質問あればお願いします。
なければ、幹事社質問に移らさせていただきます。幹事社からは3項目質問があります。1項目は、21日の参院選静岡選挙区の結果を見た、知事はどう思われたかお聞かせください。
第2項目は、リニア建設に関して、JR東海からの回答案を読まれて、どうお考えになるかお聞かせください。そして、回答案を受けて、今後、JR東海との協議の展望はどうなりますでしょうか。
第3点は、知事は、中日新聞のインタビューにリニアと南アルプス保全を両立する腹案があるとお答えになっていますが、腹案というのは実際にあるんでしょうか。そして、腹案がもしあるのであれば、具体的にその中身をお聞かせください。そして、その腹案の中に南アルプスの道路整備というのは含まれますでしょうか。以上3項目です。
(知事)
【参院選】
まず第1の質問、参議院選挙に関してですけれども、本県からは、5人の方が立候補されまして、そのうちお二人の方が見事当選をなさいました。心からお祝いを申し上げたいと存じます。
残念ながら落選された方には、立派な主張を言われておられましたが、めげずにこれからも国政、また、それぞれのお立場で検討していただきたいというふうに存じます。
全体としましては、れいわ新選組ですね。こういう方たちが二人も参議院の議員になられたというのは画期的であるというふうに存じます。憲政史上でも珍しいことではないかというふうに思いますね。
それから、長期政権になっている安倍政権の、安倍晋三氏のライフワークは憲法改正だと、当初から私はそう思っておりましたけれども、自民党は9議席を失ったということですね。立憲も護憲派と言っていいと思いますけれども、これが議席を増やした。
それからまた、公明党さんも、比較的憲法改正には慎重ということで、これも2議席増やされたということがございますので、安部首相のライフワークに対しては、厳しい壁が突きつけられたなということであります。
それから、本県に関して言えば、南アルプス、リニアの問題が、言ってみれば本県にとどまらず、いわゆるスーパーメガリージョンに当たる地域の人々の関心になっておりますので、これに関連して、ぜひそれぞれのご意見を戦わせていただきたいと思ったんですけれども、あまりこれは、話題にならなかったなということでございます。それはちょっと私にとっては心残りなことでございました。それから何よりも、投票率が国全体で5割を切ったというのは誠に民主主義の危機であると思っております。
そして本県は何とか5割をキープいたしましたけれども、2人に1人が棄権をされているということは、しかも全体として投票率が下落したと、全国も、国もですね、県もですね、そのことは残念です。私は多数決っていうのは、100に対して51ということでございますので、ですから、2分の1以上の人が投票しなければ、選挙として無効であるという考えを基本的に持っております。
しかし、これは最高裁の判例とは合わないということはもちろん承知をしておりますけれども、今回、国政では5割を切ったと。しかも、静岡県も投票率は落ちて、何とかフィフティ、50パーセントを辛うじて保ったということについては危機感を持ってるということであります。
【リニア中央新幹線】
それから、リニアに関わることでございますが、まず、JR東海さんからのご回答は、これは案なんですね、まだ。それをまず強調した上で、ご覧になって読みやすいかというと、必ずしも読みやすいと言えないと。その意味では、県民の皆さまにとっては分かりにくいっていうか、分かりやすいものにはなっていないと。
それから、これは専門部会の委員からのご指摘ですけれども、科学的根拠が相変わらず示されていないということでございます。専門部会の委員からは、回答案が示されたものの、その内容は、従来の主張の範囲にとどまっているというご意見を頂いております。
9名の先生のうち7名からいただきまして、あと2名の方が間もなく到着すると存じますけれども、昨日差し当たって、JR東海に対しまして、この回答案では専門部会を開けないという旨を、くらし・環境部の方から口頭でご連絡を差し上げました。
JR東海さんには、あらためて中間意見書の趣旨をご理解いただきまして、そのために説明をしようということで、JR東海はどのような意図で回答を作成したのか、それを確認をする機会を得たいと思っております。
それから、回答案に対して、専門部会委員の先生方から追加の質問があります。これにつきましては、いわゆる専門部会を全体会議の形で、オープンにしてやるんではなくて、うちの専門委員の先生数名と向こうの担当者等が、オープンでこの議論をしていただくと。ですから、皆さま方も聞いていただけるような形で、意思の疎通を図り、またそれを共通の認識に皆さまにしていただくために、皆さまもそこの場に立ち会っていただけるような形で対応を進めていきたいというふうに思っております。
それからこれに関連いたしまして、南アルプスの保全について、これは南アルプスは人類の共有財産なのでですね、あそこに闖入(ちんにゅう)してきたという感じですね。ですから、保全について、さらにまた、これは水資源といいますか、60万人以上の方々のあるいはGDP2.7兆円の基盤になる水でございます。その源流であるということもございまして、それに対してどういう考えをお持ちなのかをお聞かせ願っておりませんので、ぜひJR東海さんの方から、建設的な南アルプスの保全ならびに水資源の保全に関わるご提言をいただきたいというふうに思っております。話はそれからということです。
以上であります。 |